2021年3月30日付

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「元に戻りつつある」―。新年度の学校行事の検討状況について報告された、ある自治体の教育関係者が集まる会議。本来は喜ぶべきことなのだろうが、会場にはちょっぴり微妙な空気が流れた。単に元に戻ればいいのかと▼この1年、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、さまざまなことが影響を受けた。学校行事も例外ではない。修学旅行はその一つだろう。中学では奈良、京都が定番コースだが、多くの学校が行き先を変更。残念ながら中止した学校もあった▼振り返ってみれば、自分の中学のときも修学旅行は奈良、京都だった。随分長い歴史がある。しかし、なぜ奈良、京都か。深く考えたことはなかった。一般的に日本の代表的な古都であり、歴史的な出来事の舞台で見どころが多く、プログラムが組みやすいといった事情が挙がる▼何より長い歴史の中で積み上げてきたノウハウを生かせることが大きい。だが、コロナ禍によって今までの”当たり前”は崩れ去り、一から再検討を迫られた。行き先が変われば、おのずと学ぶ内容も変わってくる。先生たちはあらためて考えたはずである。子どもたちにどんな体験をしてもらい、何を学んでほしいかと▼はからずもコロナによってあぶりだされた「子どもたちのために」という原点。無論、修学旅行に限ったことではない。結果的に元に戻ったとしても、その思いは忘れてはならないだろう。

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