諏訪の八剱神社遷座祭 「お飾り」12年ぶり復活

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「お飾り」が復元され、神楽殿に「八重垣姫」などを配置する氏子ら

「お飾り」が復元され、神楽殿に「八重垣姫」などを配置する氏子ら

諏訪市小和田の八剱神社で遷座祭を奉祝する「お飾り」が復活し、1日、飾り物が神楽殿内に作られた。遷座祭は同神社御柱祭に合わせて行われ、明治から昭和初期を中心に小和田地区の氏子が区ごとに競って大型の飾り物を製作。時代絵巻や神話の一場面などを飾った。しかし太平洋戦争を境に中断し、一部の区で近年再び作られていたが、2004年を最後に途切れ、前回御柱年の10年には飾られなかった。

このため「当時の人たちの想像力とエネルギーには驚かされる。ご遷宮への熱い思いをまた復活させたい」と願い歴代の神社役員有志10人余が今年3月「お飾り委員会」を発足させ、検討を開始した。

同神社が諏訪湖の御神渡り(御渡り)神事をつかさどることから湖中に像が建つ「八重垣姫」に着目。八重垣姫が登場し明和3(1766)年に人形浄瑠璃と歌舞伎で上演された「本朝二十四孝」の見せ場という「奥庭 狐火の段」の場面を神楽殿に仕立てた。

「狐火の段」は、使者として塩尻に向かった武田勝頼に刺客が迫る。先回りして危機を知らせたい八重垣姫だが、諏訪湖は結氷し舟を出せない。「羽がほしい、飛んでいきたい…」。武田家伝来の諏訪法性の兜に祈りをささげると、願いはかなう。姫は兜を掲げ、諏訪明神の化身、白狐の招きで湖上を渡っていく―という内容。

飾り物は手作り。神楽殿(横7.2メートル、奥行き5.4メートル)の床にブルーシートを敷き諏訪湖の結氷を表現。発泡スチロールで複数の氷をつくり、御神渡りも出現させた。奥には諏訪湖から塩尻峠方面を見た山々の絵を並べた。絵は画家宮坂了作さん(66)がベニヤ板4枚に1週間ほどかけて描いた。

八重垣姫はマネキンに赤い着物を着せた華やかな姿だ。歌舞伎では「赤姫」として庶民の人気を集めたという。左手には法性の兜(かぶと)を掲げている。白狐も置いてある。

10月2日まで。夜間はライトアップする。お飾り委員会の渡邊源一委員長(82)は「大総代のOBや大工さん、着付けの人など小和田のさまざまな人たちの協力があってできた。素人集団としては上々の出来栄え」とし「次の御柱祭年にも引き継いでいければ」と話した。宮坂清宮司は「奉祝のお飾りが復活されうれしい。きっと神様もお喜びになるだろう」と語った。

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