県消防防災ヘリ 自主運行あす4年ぶり再開

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就航を記念してテープカットをする行政や消防の関係者ら

2019年7月から運休が続いた県消防防災ヘリコプターの就航式が3日、松本市の県営松本空港であった。県の自前機で県職員のみによる自主運航は17年3月に搭乗員全9人が死亡した墜落事故以来約4年ぶり。事故の教訓を胸に刻み、5日から一部の任務を除いて運航を再開する見通しだ。

式典には行政や消防の関係者ら約50人が参列。阿部守一知事は「二度と事故を起こしてはいけないという決意を胸に取り組んできた。9人の思いをしっかり引き継いでいく」とあいさつ。県消防防災航空隊の水崎厚史隊長は「初心を忘れず安全が最優先であることを肝に銘じる」と誓った。

5日以降、山岳救助や山野火災の消火活動など通常の業務すべてに対応する。ただ、2500メートルを超える山岳ではロープを使ってつり上げる「ホイスト救助」は実施せず、ある程度実践を積んでから再開するという。また、事故後に操縦士が2人搭乗する「ダブルパイロット制」を導入したため、出動時は基本的に操縦士2人、消防隊員3人の5人体制とする。山岳地帯で活動する場合は燃料を積むため消防隊員を2人とする。

現在、操縦士3人のうち機長は1人。機長の休みを取るため週2日は運休する必要がある。基本的に出動要請の多い週末を避けた水、木曜を運休日とし、その間に発生した事案は県警ヘリや近隣県の消防防災ヘリが対応する。県は機長をもう1人確保しようと昨年10、11月に募集したが適任者が見つからず、引き続き機長の確保を目指している。

墜落事故は岡谷市と松本市にまたがる鉢伏山の山中で発生。18年5月から民間のリース機と操縦士や整備士の派遣を受けて運航再開したが、定期検査に出した19年7月以降、リース会社と県で安全性の見解の違いがあり運休が続いた。県は山岳地帯が多い地形的特徴から安全性確保のために自主運航にこだわっており、昨年12月には安全性を強化した自前の新機体「アルプス」を配備。地形に慣れる慣熟飛行や空中消火、山林での救助など一通りの訓練を3月末までに終え、第三者による評価を経て運航再開を決めた。

リース会社との見解の違いをめぐっては契約金に関して県が訴訟を起こす予定。

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