災害映像共有システム開始 上伊那消防

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災害映像共有システムの紹介や実演を行った運用開始式=伊那市の上伊那広域消防本部

災害映像共有システムの紹介や実演を行った運用開始式=伊那市の上伊那広域消防本部

上伊那広域消防本部は2日、スマートフォンやタブレット端末などを活用し、災害現場の状況を映像で情報共有する「災害映像共有システム」の運用を開始した。県内の消防機関が導入するのは初めて。現場に到着した出動隊員が撮影した映像を、本部やほかの場所でも指揮者や隊員がモニターやスマートフォンなどでリアルタイムで視聴できる。無線とは異なり、一目で災害の状況を把握し、より迅速で的確な対応ができると期待される。

同システムは、現場の隊員がスマートフォンで撮影した災害状況の映像が、インターネット回線を通じて同本部消防指令センターのモニターと、現場統制を行う指揮隊やほかの出動隊に配備されたタブレット端末とスマートフォンに映し出される仕組み。

これまでは指揮隊長が無線で現場の隊員から報告を受け、現場状況を判断して対応していた。同システムで視覚的な情報に切り替わり、指揮隊長や災害対策本部はより的確に状況を把握し、災害規模に合わせて迅速に対応が取れるようになった。また、自然災害や複数の災害が発生した場合、問題となっていた無線の混線を解消でき、それぞれの現場から送られた映像を最大9カ所まで同時にモニターで確認できる。

今回、導入したのは消防指令センターにシステムサーバー、モニター各1台、指揮隊にタブレット端末2台、同本部と各消防署にスマートフォン計7台。スマートフォンとタブレット端末で映像を送信でき、全機器と本部所有のパソコン3台で受信した映像を視聴できる。導入費用は約240万円。年間の運用経費は通信費を含めて約78万円になり、従来の方式に比べて約38万円の増額となった。

システムは、複数の出動隊を指揮する必要がある火災や救助などで活用する。運用対象になる事案は昨年度227件あった。

この日、同本部は運用開始式を伊那市の同本部で開いた。消防関係者ら約40人が参加。田畑公徳消防長からシステムについて説明を受けた後、各消防署での訓練の様子を映し出したモニター映像を確認した。

上伊那広域連合長の白鳥孝市長は 「無線だけの情報では抽象的な場面もあり、実際の状況把握に難しいこともあった。 災害状況を映像情報として共有することでさらに迅速で的確に災害に対応でき、広域的な現場活動に生かせる」と期待。「導入効果を見ながら、

大規模災害における市町村への情報提供も視野に入れていきたい」と話した。

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