「干す」文化を伝える 西村豊さんが写真集

LINEで送る
Pocket

日本各地の「干す」をテーマに出版した写真集を手にする西村豊さん

写真家の西村豊さん(72)=富士見町=が、「干す」をテーマに諏訪地方など全国各地に残る風景を撮影した写真集「干す 日本の天日干しをめぐる」(光村推古書院発行)を出版した。見掛けることが少なくなりつつある「干す」文化を伝えたい│と、11府県の46カ所でカメラに収めた干し柿や大根干し、凍み豆腐といった食品から伝統工芸品などまでの写真139点を一冊にまとめた。

「日本では食べ物を天日に干して長持ちさせ、保存食にしてきた」と西村さん。「干して、保存して食べることは、太陽の力を頂いておいしくすること。昔からの伝統で作っているところを見ただけでわくわくする」と、天日干しにこだわったという。

撮影は10年前、山梨県甲州市で15年前に写した干し柿の写真を光村推古書院の当時の編集長に見せたところ、雑談の中で「他に干す物は何があるだろう」と話したことをきっかけに本格的にスタート。知人からの情報やインターネット検索などで探し、各地を訪ね歩いてきた。

写真集には、甲州市や下諏訪町の古民家につるされた渋柿をはじめ、静岡県三島市で富士山をバックにずらりと並んだ大根、「井桁干し」された諏訪市の上野大根や、茅野市の凍み豆腐、小ブナを開いて干す諏訪市の「すずめ焼き」など、太陽の恵みを受ける農水産物と地域の風景を掲載。新潟県南魚沼市で麻織物「越後上布」を雪の上に並べる「雪さらし」や、神奈川県愛川町で材料の竹を干して弓を作る「御弓師」の姿なども紹介した。

富士山頂では、撮影機材を主に重さ25キロの荷物を背負って登り、山荘の布団を干す場面にカメラを向けた。「日本では太陽に一番近い布団干しだ」と説明文を添えている。

西村さんは「日本にはこういう干す伝統があると、残せるなら残してほしいし、若い人には興味があれば自分でやってほしい」と話している。B5判変型、128ページ。税込み2640円。全国の書店で扱っている。

おすすめ情報

PAGE TOP