2021年4月22日付

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諏訪市の上諏訪小学校(旧高島小学校)を訪れたことのある人は、玄関前に立つブロンズ像「少年と馬」をご存じだろう。いななき前脚を高く振り上げて暴れる馬と、はい上がろうと背伸びをして、たてがみに手を伸ばす少年。台座を含めて高さ3メートルに及ぶ大作である▼1973年の高島小開校100周年に合わせ、いつまでも残るものを―と声が上がり、42年度卒業生の彫刻家、細川宗英(30~94年)に同窓会が依頼をして73年に制作した。事業費は1100万円、同窓生を中心に1800人の寄付で賄われたそうだ▼「馬は子どもたちがこれから立ち向かっていく未来、現実の社会を象徴している」。当時、PTA副会長として寄付集めに奔走した山崎壮一さん(89)は作品に込められた思いをこう語り、「世界を変える『とんがった奴』が出てきてほしい」と期待する▼除幕式は74年4月20日、旧6年生も参加して行われた。児童代表の一人として除幕をした三沢博英君。家業を継いで58歳になった。「ここに生まれ、変わらず家族と過ごしている。そのことに感謝したい」と目を細めた▼上諏訪小は今年4月、高島小と城北小を統合し、城南小通学区の一部を加えて高島小校舎に開校した。「少年と馬」は諏訪湖を望む手長丘に今も残る。新型コロナウイルスが猛威を振るう現代社会の中で、未来を渇望し、困難に挑む少年の姿が一層輝きを増して見えた。

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