飲食店試練の時短 茅野、諏訪、原

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時短営業初日、午後8時前に来店客を送り出す飲食店の店主=21日午後7時57分

夜の街が静まり返った-。新型コロナウイルスのまん延や広がりつつある変異株対策として、茅野、諏訪、原の3市村全域の酒類を提供する飲食店などを対象とした県による営業時間短縮や休業の要請が21日、始まった。飲食店は午後8時までに営業を終え、独自に休業を選択した店も。「変異株が怖い」「感染者がゼロに近付けば」。飲食店店主らはそう語りながら1日も早い沈静化を願った。

「早く収まらないとやっていけないよ」。茅野市のJR茅野駅前に店を構える居酒屋「食事処 黒ちゃん」の店主黒田正幸さん(67)は、そう言いながら店を開けた。普段の営業は午後11時すぎまでだが、要請時間通りにのれんを下ろした。圏域内であった変異株の集団感染に「怖い。人ごととは思えない」と感染対策に気を使いながらの営業を心掛ける。

この店を週1回ほど利用する常連の30代と40代の夫婦=同市豊平=は、身近に感染が広がり「神経質になっているけど、店の応援にもなれば」と時短に備えて夕方に来店。ヒレカツやビールを注文し、早めに食事を済ませると「そろそろかな」とつぶやいて帰路についた。

「あともう1時間いられたらなあ」。午後8時前、諏訪市大手の日本料理店「雫石」を出る男性(77)は名残惜しそうにつぶやき、タクシーに乗り込んだ。飲食店が連なる通りは普段と違い、すでに真っ暗。街灯を除けば、店じまいする同店とタクシーのライトが唯一と言っていい明かりで、「まるで深夜のようだ」と調理担当の藤原千弘さん(73)。「1組だけだけれど来てくれてありがたかった。少なくとも29日までは仕方ないね」と力なく笑った。

19日までの1週間の県内新規感染者は人口10万人当たり14.48人。諏訪圏域は3.7倍の53.60人と感染拡大が顕著だ。20日までに発表があった県内変異株感染者82人のうち、半数を超える44人が諏訪の感染者で、変異ウイルスに対する不安も広がる。

県は独自に設ける6段階の感染警戒レベルを諏訪圏域で「5」に引き上げ、特措法に基づき29日まで時短営業などを求める。これまで他圏域では区域を限定して要請してきたが、今回は「変異株対応」として3市村全域の飲食店(約850店舗)を対象に。要請に応じた店舗には売り上げ規模別に1日4万円~7万5千円の協力金を交付する。

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