日本とパレスチナ演劇共演企画 諏訪の林さん

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共同制作の演劇の上演に向けて思いを語る林さん

東京都市大学塩尻高校に通う3年の林充希さん(18)=諏訪市豊田=が同校とパレスチナの演劇グループをオンラインで結び、リアルタイムで共演する演劇「壁と壁」の上演を企画している。昨年6月から取り組んできたプロジェクトの集大成で、5月1日午後4時から動画投稿サイト「YouTube(ユーチューブ)」上でライブ配信する。「日本とパレスチナの間の『壁』を壊したい」と願う。

演劇部に所属する林さんは、同校の授業「探究活動」の中で「紛争地域の子どもたちに演劇を届けよう」と考えた。「紛争、難民、暗い」などのイメージで最初に頭に浮かんだパレスチナを、演劇を届ける先に選んだ。

実現に向けて現地の情勢に詳しいライターや国際協力NGO「国境なき子どもたち」現地代表に話を聞くと、当初のイメージとは違うパレスチナの姿が見えてきた。活気があり、街中ではスイーツも売られていた。「現地に届けよう」としていた演劇はすでに盛んに行われ、教育にも取り入れられていた。

日本では芸術、娯楽の意味合いが強い演劇が、パレスチナでは主張の手段として定着していた現実も知った。自らの無知と偏見を知った林さんは、日本とパレスチナが共同で制作する演劇を多くの人に見てもらおうと、同NGOの協力で現地の演劇チームを紹介してもらい、作品づくりに取り組んだ。「本当のパレスチナを知ってもらいたい」。それは林さんにとっての同プロジェクトの原点だ。

シナリオは林さんが書き上げた。壁を通じて意識だけを遠く離れた場所に移せる超能力を持った女子高生がパレスチナの街を知るストーリーで、映像と実際の演劇を交えながら物語を紡ぐ。人々が自由に行き交うにぎやかな街、人気のスイーツ、ダンス教室などが紹介される。一方で、イスラエルがヨルダン川西岸やガザ地区を抑え込むために建設した分離壁の存在は印象深く描いた。映像と演劇を組み合わせた構成で昨年12月に完成し、1月から稽古を重ねてきた。

プロジェクトの一環で昨年11月に岡谷市で行った街頭アンケートでは、回答した100人のうち、パレスチナについて「暗い」、「よくわからない」が91%を占めた。林さんは「パレスチナの魅力と厳しい現実の両面を見て、本当の姿を知ってほしい。分離壁の存在や私たちの意識の中にある無関心や偏見といった『壁』を壊したい。見た人がパレスチナに関わるきっかけとなってくれたらうれしい」と話していた。視聴は公式サイト(https://kabetokabeproject.wixsite.com/theater)から。

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