2021年5月4日付

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実践的な英会話動画を発信するユーチューバー、吉田ちかさんの著書「人生で一度はやってみたいアメリカ横断の旅」(実業之日本社)は、吉田さんがパートナーと共に米国を車で横断した体験をまとめている。食やファッション、町で会った人々の描写もさることながら国立公園の魅力を満載していて興味深い▼例えば、コロラド川がU字型にカーブするアリゾナ州のホースシューベントの雄大な地形を背景に撮った写真には「人生で最高なものは、お金のかからないものにある」と言葉を添えている▼20代の前半、米国のサンフランシスコ―ニューヨーク間を自転車で走った。途中、憧れのヨセミテやグランドキャニオン、モニュメントバレーなどの国立公園へ寄り、キャンプをして幸せに包まれた。米国は世界の主導権を握ろうとする姿ばかりが強調されるが、大半の一般市民はおおらかで、その国民性は国立公園に象徴される大自然が育んでいるのではないかと思わせた▼現況コロナ下の自粛生活は旅好きにはつらい。日常生活から解放され、違う土地の空気を吸うことで心身を活性させているからだ。非日常の空間に身をおくと鈍化していた感覚が、久しぶりに水をもらった植物のようにイキイキし始めるのが分かる▼だが今は次の旅を考えるより、過去の旅に関する本を読み、新たな発見を求めたり、旅情を思い起こしたりして心を落ち着けたい。

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