無人機で山小屋荷揚げ 伊那市が新プロジェクト

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伊那市は今年度から、無人垂直離着陸(VTOL)機による山小屋への荷揚げやコミュニティーバスの長谷循環バスを使った「モバイル市役所」など新たなプロジェクトに取り組む。先端技術を活用して地域課題の解決を図る新産業技術推進事業の一環。国の地方創生推進交付金(Society5・0タイプ)の採択を受け、11日の市議会臨時会に今年度分の事業費を盛った一般会計補正予算案を提出し可決された。

VTOL機は小型無人機ドローンを大型化したような機体で、ドローンより重い荷物を高速で運ぶことができる。山小屋への荷揚げはヘリ事業者の撤退で費用が高騰していたり、天候に左右されたりする課題があることから、VTOL機にシフトすることで、安全で低コストな荷揚げの実現を図る狙いだ。

第三セクターの伊那市観光が運営する中央アルプスの西駒山荘、南アルプスの仙丈小屋、塩見小屋の3カ所への荷揚げを想定。事業は民間企業に委託し、今年度から3年間の計画で飛行ルートの開設と実用化を目指す。

一方、モバイル市役所は情報通信インフラを搭載した車両が市内各地に出向き、各種証明書の発行やマイナンバーカードの申請受け付け、ごみチケットの発行など市役所の窓口業務をオンラインで行う仕組み。同バスの日中の空き時間を活用する。

移動手段がなく、市役所まで出向くことが困難な高齢者などの利用を想定。バスには職員が乗り、利用者の応対に当たる。運行は事業者に委託する予定。今年度中に車両の改造を行い、来年度から運用を始める計画だ。

市は高齢化に伴う移動困難者の増加や医師不足などの地域課題に対応するため、モビリティー(移動手段)とサービスを組み合わせた「MaaS」などの取り組みを積極的に進めてきた。こうした実績が高く評価され、今回の交付金事業採択につながった。新たなプロジェクトに関する事業費は今年度から5年間で7億5500万円を見込み、約95%が国からの交付金などで賄われるという。

このほか、移住希望者らが改造したマイクロバスに寝泊まりしながらテレワークを行い、伊那の暮らしを体験できる「モバイルオフィス」の取り組みも進める。

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