竹林問題解決へプロジェクト アトリエデフ

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チェーンソーなどで切った竹を積み上げる社員たち。里山の保全に向けて竹資源の利活用を広げる=10日、富士見町葛窪

原村に営業所を構える工務店「アトリエデフ」(本社・上田市)が、八ケ岳山麓などで竹林問題の解決に向けたプロジェクトを始動させた。需要の減少や地主の高齢化で放置竹林が増え、強い繁殖力で里山の姿を変えてしまう「竹害」が懸念される中、地域住民や大学と連携して竹資源の持続的な利用や新たな用途を研究。厄介者の竹林を「宝の山」へと転換し、集落が主体となった竹林整備や里山の保全につなげたい考えだ。

同社によると、静岡県などの暖地では放置竹林が里山を浸食し、竹やぶとなった事例も出ている。諏訪地方はそれほどではないものの、「気候変動で面積が拡大したり、浸食スピードが加速したりする可能性がある」と指摘。竹の地下茎は浅く、大井明弘社長は「竹林斜面になれば土砂災害のリスクも高まる」と警鐘を鳴らす。

「山を守り育てる」を経営理念とする同社では、竹林の問題は里山の問題と捉え、利活用の先導的役割を果たそうと、パンフレットなどの印刷物を国産竹100%の竹紙に切り替えたほか、原村の八ケ岳営業所のモデルハウスに間伐竹を燃料とする竹ボイラーを設置。本社・営業所の所在地と周辺で、住民と協働で課題解決を図る「たのしく竹林プロジェクト」を始めた。

国産竹100%の竹紙を使用した印刷物

富士見町葛窪では10日、社員と住民計14人で竹林の整備をした。参加者の1人で、地元の自然素材を使ったせっけん「HOUR(アワー)」を作る小古間かずささん=富士見町=は、すでに竹炭パウダーのせっけんを試作。JR富士見駅前でゲストハウスを経営する賀来寿彦さん=同=は「竹炭のソフトクリームができれば」と語り、間伐竹の搬出作業に汗を流した。

同社は中央大学との共同研究も開始。竹炭パウダーなどの効能について科学的根拠を示し、利活用の促進につなげる狙いだ。間伐や皆伐をしても約3年で再生する竹は「持続可能な資源でもある」と大井社長。環境事業チームの植松和恵さんは、「食」の分野での活用も広めたいとし「厄介者でなく、身近にある素晴らしい資源として活用し、私たちの財産である里山を守っていきたい」と話している。

15日午後1時半からは八ケ岳営業所で竹炭焼きイベントを行う。小学生親子ら若干名の参加が可能。申し込みは同チーム(電話080・8810・7214)へ。

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