2021年5月13日付

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何か、ほかの方法を考えないとね―。子ども食堂を運営してきた女性がため息をついた。年に数回開いてきたが、新型コロナの影響で昨年中止に。それ以来開けていない。顔なじみになった子どもたちが気がかりだともつぶやいた▼厚労省によると、コロナを理由に解雇や雇い止めになった労働者は全国で10万人を超えた。伊那市の白鳥孝市長は4月に開いた子ども食堂の運営団体との意見交換会で、「コロナによる貧困問題が顕在化している」と地方でも身近な問題になっていることを指摘した▼子ども食堂は貧困対策だけでなく、社会との交流や地域課題の把握などを通じ、多角的に子どもを守る役割があるとされる。NPO法人全国こども食堂支援センターむすびえの湯浅誠理事長は「こどもの日」に、「子どもの居場所を保つため、感染症対策に気を付けながらこども食堂を開いてほしい」とのメッセージを発信した▼諏訪や上伊那でも感染リスクの高い会食を避け、弁当を配るなどの工夫を凝らして開催する団体もみられる。ライオンズクラブなどは余った食品の寄付を募り子ども食堂や支援が必要な人におくる「フードドライブ」に取り組む▼先の会合で白鳥市長は「将来の夢を描けない子どもをつくってはいけない」とも強調した。子ども食堂は一例として、子どもの未来を守るために何ができるか。垣根を越え、地域社会全体で知恵を絞りたい。

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