2021年5月14日付

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ユネスコ(国連教育科学文化機構)世界自然遺産に鹿児島、沖縄両県の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」が登録される見通しになったという。国内の自然遺産は2011年の小笠原諸島(東京都)に続き5件目となる▼自然遺産は、ひときわ優れた自然美及び美的な重要性を持つ最高の自然現象または地域、重要な生態学的・生物学的プロセスを示す顕著な見本、科学上・保全上の観点から優れた普遍的価値を持つ絶滅の恐れのある種の生息地などが登録基準になるという▼一言で世界遺産というが、ユネスコが登録する世界遺産は、その特質に応じて「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」に分類されている。日本では富士山や原爆ドーム、富岡製糸場など19件が文化遺産に登録されているが、複合遺産の登録はない▼世界遺産に登録されれば世界的に知名度が上がり、観光客が増加。経済効果や地域の活性化が期待できる。一方で観光客による遺産や周辺環境の破壊の恐れがあり、観光地化による行政負担の増加で住民生活の圧迫も懸念される▼保全と経済活動の両立は難しいと思う。桜で名高い高遠城址では、史跡であるがために次代の桜の植樹ができず「今の美しい桜を見られるのはいつまでか」と心配の声も出ていた。ただしゃくし定規に保全するのでなく、今を生きる人の気持ちにも寄り添う保全の方法もあってもよいのではないかと思う。

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