飯島氏研究の集大成 飯島紘さん著書刊行

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著書2冊を出版した飯島紘さん

中世に飯島町一帯を拠点にした豪族「飯島氏」の29代当主で同町飯島の飯島紘さん(78)が、60年に及ぶ飯島氏研究の成果をまとめた著書「信州飯島氏八〇〇年のミステリー」と、自身の小学1年生当時の記憶をたどった自伝「ひろし物語~六歳の私~」を相次いで自費出版した。古文書を読み解いてたどりついた先祖の姿を明らかにするとともに、初の自伝では貧しい生活の中にも人のぬくもりがあった戦後直後の様子が少年目線で鮮明に描かれている。

清和源氏の流れをくみ、片桐氏から分派した飯島氏。飯島町本郷に居城を構え、戦国時代には武田信玄に仕え、江戸時代には一時、彦根藩井伊家の剣術指南役も務めた。

飯島さんは20代で東京から帰郷して自分のルーツに関心を持ち、蔵に残された数多くの古文書を独学で解読した。

「八〇〇年のミステリー」には、鎌倉時代の承久の乱(1221年)で手柄を立てた恩賞で、飯島氏が三沢氏と姓を変えて出雲三沢(現・島根県奥出雲町)を治めたことなど、飯島さんが研究者や出雲側と親交を深める中で解明された史実も収録している。

それまでは三沢氏の源流は木曽氏とするのが定説だったが、出雲大社の文書から見つかった飯島氏の記述をきっかけに、系図の一致などで定説を覆す発見になった。現在、飯島、奥出雲両町は町ぐるみの交流に発展している。

「三沢氏と飯島氏の関係をはっきりと証明できたのは思い出に残る謎解きだった。史実が明らかになり、つながりができたことは本当にうれしい」と飯島さんは話す。

自伝は祖母の死や母の病気など、飯島さんにとって忘れがたい1年を振り返ったもので、祖母の養生のために引っ越した叔父宅での暮らしぶりなどをつづっている。

悲しい出来事や苦しい生活が続く中でも、叔父家族との触れ合いなど人と人との絆が描かれており、鋭い観察眼で車窓の風景や飯島の町並みなども克明に記されている。

以前に自伝はまとめてあったが、今回同級生らが資金集めに協力するなどして出版することができた。「こんな生活もあったんだと若い人たちに読んでほしい」と話す。

いずれもA5判で価格は各2000円。はがき申し込みで郵送(送料別)も可能。問い合わせは飯島さん(〒399―3702 飯島町飯島2298)へ。

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