認知症事故に公的補償 岡谷市

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認知症事故の個人賠償責任保険の加入を助ける事業をPRするチラシ

岡谷市は、認知症患者が事故で損害賠償責任を負った場合に、市加入の保険で損害を補償する新規事業の運用を始めた。行方不明になった認知症患者の捜索にあたり、事前に登録された情報を共有し早期発見につなげる「あったか見守りネットワーク事業」登録者が対象。認知症事故の公的補償の導入は、同市と茅野市が諏訪地方の他市町村に先駆けて今年度から始めた。

認知症患者が線路に入り列車の運行を妨げるほか、他人にけがをさせたり、他人の所有物を壊したりした場合、上限1億円を補償。事故の相手が死亡した時の見舞い費用や本人が死亡または後遺症を負った時の補償もある。新規事業では保険加入者に同居家族がいる場合、市が保険料の半額を補助し、残り半分の800円程度を自己負担とする。

高齢化で認知症患者の増加が見込まれる中、認知症事故に対する独自の救済施策を導入する自治体が全国で増えている。市によると、多額の賠償金を支払う責任が生じた事例は市内で確認されていないものの、線路の立ち入りや店頭商品の持ち出しなどのトラブルが起きており、救済施策を望む声があった。

市が支払う保険料には市議会3月定例会で承認された今年度当初予算に計上した「あったか見守りネットワーク加入保険料負担金」10万円を使用。同事業が助成対象となる国や県の制度がないため、市の単独財源を充てる。

新規事業実施は見守りネットワーク事業の登録者を増やす狙いもある。2018年度に始めた同事業の登録数は11日現在、31人。個人情報の登録に対する抵抗感から登録数が増えない実情がある。医師の診断書がなくても、徘徊などの恐れがある高齢者らは登録でき、市は「認知症患者の家族の安心にもつながる」と登録を呼び掛けている。

県が20年4月に実施した調査によると、下條村、南箕輪村、木祖村の3村が認知症事故の個人賠償責任保険関連の補償事業を導入。県によると調査時点で同様の事業を検討していた自治体もあり、同年10月に上田市も始めた。

岡谷市加入の保険の契約は今月1日から1年。見守りネットワーク事業に今後登録する人も加入可能。問い合わせは市介護福祉課(電話0266・23・4811)へ。

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