伊那市内の松くい虫被害 過去2番めの多さ

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伊那市内で2020年度に確認された松くい虫の被害量は2722立方メートルで、3年連続で増加し、過去2番目に多くなったことが18日、市のまとめで分かった。前年度の19年夏の高温少雨の影響で、松枯れを引き起こす線虫のマツノザイセンチュウを媒介するマツノマダラカミキリの活動が活発化したことが要因とみられている。

市によると、同市では06年度に初めて松くい虫被害が確認され、年々拡大。被害量は11年度に2000立方メートルを超え、16年度には過去最多の2847立方メートルに達した。17年度にいったん減少したものの、18年度から再び増加に転じた。標高900メートルより低い森林を中心に被害が拡大しているという。

従来、マツノマダラカミキリは標高800メートル以上では繁殖しにくいとされていたが、温暖化の影響で標高900メートルでも被害が広がっている。市はおおむね標高900メートル以上を「守るべき松林」(地区保全森林)、同900メートル以下を「周辺松林」(被害拡大防止森林)と定め、枯損木の伐倒駆除や樹種転換などの防除対策を進めている。

18日は市役所で市松くい虫対策協議会(会長・白鳥孝市長)が開かれ、20年度は上伊那全体でも被害量が前年度より12%増えたことが県上伊那地域振興局林務課の担当者から報告された。19年が猛暑で雨が少なかったことが増加の要因とされ、伊那市も同様の状況という。

市は引き続き防除対策を進め、幹線道路沿いや通学路、人家の近くなど倒木の危険がある場所のほか、被害の先端地域で被害が広がらないよう優先順位を付けながら取り組んでいく方針だ。

白鳥会長は「アカマツは伊那を代表する銘木。被害は標高の高い所まで広がっているが、空中散布はできない状況であり、地域の松をどう守っていくかが大きな検討課題だ」と指摘した。

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