上伊那の警戒レベル5区域 時短営業始まる

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焼き鳥の仕込みをしながら来客を待つ樋代和信さん(右)=伊那市坂下の居酒屋入舟酒場

新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、県の感染警戒レベルが「5」に引き上げられた伊那、駒ケ根、箕輪、南箕輪、宮田の5市町村で23日、酒類を提供する飲食店などを対象とした営業時間の短縮や休業の要請が始まった。各市町村の繁華街にある飲食店の店舗では、要請期限となる6月5日までの早期閉店や休業を知らせる貼り紙が掲示された。飲食店主からは「もう、これ以上踏ん張れない。早く収束させてほしい」と悲痛な声が上がった。

「家飲みが増えて人がまちに出てこない」。伊那市坂下の居酒屋「入舟酒場さかいや商店」は23日から通常午後11時半の閉店時間を午後8時にした。昨秋、市内でコロナ感染者が出ると夜の繁華街から人が一斉に消えた。同店を経営する樋代和信さん(49)は「その頃から夜9時すぎになると町を人が歩かなくなった。今回に限らず店を早く閉める回数が増えた」という。

樋代さんは居酒屋の他、宴会ができる店も経営しているが「一昨年12月の忘年会では計1000人いたお客さんが昨年12月はゼロ。昨年の売り上げは平年の5割減」と肩を落とす。「融資は受けたが、これ以上の借金は返済が滞りそうでできない」と話し、今は昼食用弁当の注文を受け、事業所にある食堂で料理を作りながら苦境をしのぐ。

同市坂下で飲食店「萬里」を営む馬場元さん(64)は午後9時までの閉店時間を1時間繰り上げた。同店は伊那名物「ローメン」発祥の店。以前は県外からも多くのファンが来店したが、今は「極端に少ない」。「警戒レベル5に関係なく、町は静か。様子を見た上で来月5日までの休業を考えるつもり」と話す。

「売り上げの落ち込みは思った以上に厳しい」。飲食店に酒などを配達する同市荒井の酒販店「さかや正藤」の山浦邦夫さん(77)は、そう語る。取引先の飲食店の多くが休業。一般の顧客に期待したいが「コロナ禍で商店街に来る人も減っている」。店は再来年で創業90年。「先代から店を引き継ぎ、今が一番大変だね」と語った。

伊那市内の飲食店で飲酒していた南箕輪村の男性(51)は「感染対策を徹底した飲食店の利用を積極的にするなど、そろそろ新型コロナと共生する道を考える時期だと思う」と話した。

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