茅野で「心に響く ヴァイオリンと語りの会」

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「無言館は私たちが戦後どんな生き方をしてきたか自問自答を迫る美術館」と話す窪島さん

国際的バイオリニスト天満敦子さんと上田市の戦没画学生慰霊美術館「無言館」館主の窪島誠一郎さん(79)による「心に響く150分 ヴァイオリンと語りの会」(ワイエフ主催)が23日、茅野市の茅野市民館で開かれた。窪島さんは「(戦没画学生の絵を)見殺しにしたくなかった」という無言館誕生のいきさつを紹介。新型コロナが活動に影響しているという天満さんは「ここでバイオリンが弾けてありがたい」と話し、演奏に気持ちを乗せた。

窪島さんは若い頃、大正時代に22歳で死去した洋画家村山槐多の画集を見て衝撃を受けたという。「真っ赤な絵の具を使い、極めて謎めいて不思議だった。僕のすべてを変えた」。村山の絵を探す旅が始まったといい、村山が滞在した上田市に収集した絵を展示する「信濃デッサン館」を建てたと語った。

バイオリンを演奏する天満さん

無言館の着想は「才能ある若者が描いた絵がこの世から消えてしまうのが残念」との洋画家野見山暁治さんの言葉がきっかけだったと振り返った。北海道から九州まで訪ねて作品を集めたが、「自分が彼らの絵を見つけたというより、画学生の絵が僕を見つけたという感じだった」と述べた。

画学生は生きている自分を支えてくれる家族や恋人など身近な人への感謝の気持ちを込めて描いているとし、「彼らの絵は反戦平和だけを伝えているのではない。人間は何のために生きるのか、戦後に私たちが失ったものを問うている」と話した。

天満さんは「タイスの瞑想曲」「望郷のバラード」などを披露。小説「ビルマの竪琴」で登場人物が歌う「埴生の宿」も演奏した。ミャンマーには3回行ったことがあるとし、「静かで祈りの深い人たち。(クーデターが起きた)今の状況には胸がチクチクする」と述べた。

催しは例年1月に天満さんのコンサートを市民館で開いている主催者側が「クラシックの生演奏を聴く機会が減っている」と企画。天満さんが20年にわたり無言館でコンサートを続けている縁で窪島さんの講演も実現した。

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