釜無ホテイアツモリソウ 人工培養苗を販売

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管理シートの記入を済ませてから釜無ホテイアツモリソウの人工培養苗を購入する来場者

釜無山周辺に自生する釜無ホテイアツモリソウの保護再生に取り組む富士見町アツモリソウ再生会議は1日、人工培養苗の販売を富士見パノラマリゾートで始めた。2006年度の設立後、自生地の保護に続いて無菌培養による増殖に着手。十数年の歳月を経て年間1万株の苗を生産できるようになり、開始にめどが付いた。6月の火、金、土曜の午前10時~正午に1日当たり500株ほど販売。園芸種を入手できるようにすることで乱獲の防止や自生地の保全につなげる。

ホテイアツモリソウはラン科の多年草で、絶滅の危険性が極めて高い絶滅危惧IA類に指定される。「釜無」は釜無山、入笠山周辺にのみ自生する固有種で赤紫色が濃いのが特徴。乱獲や盗掘、環境変化で激減したとされる。

再生会議は識者や町民、企業、高校、町などで構成。自生地の保全を主にしながら、食品メーカー「ニチレイ」の技術・資金協力を基に、町内の施設で地道に人工培養苗を作製してきた。国、県に法令や条例に基づく届け出をした上で販売を開始。転売や譲渡を防ぐため、購入者には免許証や保険証など身分証明書の提示と、管理シートへの住所や連絡先の記入を求める。

販売価格は1500~3000円とし、生育が進んだ大きな苗は1人2株までと上限を設けた。「全てが開花するわけではないが、上手に育てれば数年後に花が見られるのではないか」とメンバー。下伊那郡高森町の75歳の夫婦は「かわいい花。生きとるうちに会いたいね」と購入苗を持ち帰った。

収益は自生地の保護活動や啓発活動に用いる。園芸種として生産、販売し、乱獲防止につなげる活動は再生会議が掲げた3本柱の一つ。中山洋会長(82)=富士見町富里=は「長年かかったが、最後の柱に到達できた。メンバーが力を合わせて一歩ずつ進んできた成果」と強調。「自生地の株も増えており、若い人に加わってもらいながら、町の貴重な財産でもある釜無ホテイアツモリソウを守っていきたい」と話している。

再生会議は近くホームページを開設し、販売情報を掲載する予定。苗に関する同リゾートへの問い合わせは控えるよう協力を呼び掛けている。

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