明治の陸軍演習日誌を翻刻 伊藤さん自費出版

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見つかった演習日誌を前に、翻刻して出版した自著に目を通す伊藤修さん

飯島町山久の郷土史家伊藤修さん(71)が、明治期の日清戦争後1897年から3年間の旧陸軍歩兵第15連隊(群馬県高崎市)の演習日誌を翻刻(ほんこく)して、自費出版した。97年の日誌を町内で見つけた伊藤さんは、調査を続け新たな史料を入手。今回、それぞれ原本のまま活字に直した。厳しい軍事訓練の中で青年が行動に責任を持とうと自覚する記述の手記も見つかり、伊藤さんは「この気概が明治の原動力になったとうかがえる」と解説する。

同町上ノ原の星野光希さん宅に、祖父の甚次郎氏(1876~1925年)が1897年の演習日誌を書き残していることを昨年秋に知った伊藤さんは、翻刻に着手した。

同時に調査を続け、インターネットの古書市場で佐久出身の黒澤恒太郎氏(1877~1936年)が1899年から1900年にかけて書いた日誌を偶然見つけた。

甚次郎氏の日誌は関東一円を転じた演習の内容、宿営地などが詳細に書かれていた一方で、黒澤氏の日誌は軍隊を経験する中で社会を知り、自覚を強くしていく20代の若者の内面が克明に描かれており、手記の要素が強い内容となっている。

「山村から出てきて、演習で訪れて初めて見る海や都会の驚きなども黒澤氏の日誌には書かれている。世間に触れ、経験を積むことで社会を知る青年の言葉は力にあふれている」と伊藤さん。「甚次郎氏の日誌は公式な記録を書き写したものと思われるが、その行動からも黒澤氏と同様に当時の若者の社会への向き合い方を感じる」と続ける。

B5判118ページ。原文に史料としての特徴など解説も添えてあり、100部作成した。必要としている図書館や研究機関、関心を持つ人たちに郵送料のみで頒布する。320円切手を同封して郵送で伊藤さん(〒399-3702 飯島町飯島2508-2)まで申し込む。

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