2021年6月13日付

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「守り食む方三尺やあゆ忙し」。アユを研究した学者の宮地伝三郎が詠んだ。宮地はアユが川底の石に育つ餌の藻を守るために見張る「なわばり」の面積が「1匹平均1平方メートル」と確認。食む回数と時間は1分間に約20回、1日約10時間とした▼アユがなわばりに入った他のアユを体当たりで外へ出す習性を利用したのが友釣りだ。竿に結んだ糸先に「おとり」と呼ばれる別のアユをつなぎ、川へ放すと野生のアユが攻撃する。その瞬間おとりに付けた鈎へ野生アユが掛かる▼今年も天竜川の友釣りが解禁になった。「条件のよい川の魚は玉虫色、時に黄緑色で姿が美しく、味がいい」。天竜川で長く友釣りをする中田真司さん(59)は、そう話す。「釣れると興奮し快感に満たされる。友釣りにハマって人生を狂わせた人を何人も知っている」。それほどの魅力だ▼アユは秋に生んだ卵がふ化し、稚魚が川を下って海で越冬。春に川を遡上し、体長30センチ近く育った後、産卵して死ぬ1年魚。天竜川では春、稚アユを放すが「琵琶湖産アユはなわばり意識が強く、おとりを繰り返して追い、友釣りに適している」(中田さん)▼今年、天竜川漁協(伊那市)と下伊那漁協(飯田市)が協力し、管轄区域が重なる天竜川の入会地を南北5キロ間(中川村天の中川橋―豊丘村万年橋)に拡げた。区域では一漁協の遊漁券があれば釣りが可能だ。存分に楽しんでほしい。

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