原田泰治さんと椋鳩十の世界 諏訪で企画展

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初公開の原画を説明する原田泰治さん

諏訪市在住の画家、原田泰治さん(81)と、原田さんの背中を押し続けた下伊那郡喬木村出身の児童文学作家、椋鳩十(本名久保田彦穂、1905~87年)の作品に触れる企画展「椋鳩十と原田泰治二人の世界 画文集『太陽の匂い』原画展」が17日、同市渋崎の原田泰治美術館で始まった。原田さんの絵と椋の文章を収録した「太陽の匂い」(84年、理論社)から、原画19点を椋の文章とともに展示している。9月12日まで。

原田さんと椋の出会いは1973年。諏訪市でデザインの仕事を始めたものの、ほとんど依頼がなく、長女の誕生を前に生活の不安が募っていた原田さん。飯田市に椋が来ると聞いて絵を持参。椋は原田さんの絵を丁寧に見た後、「絵よりブリキ缶をたたいたような君の大声がいいなあ」とうれしそうに語った。

原田さんにとって35歳年上の椋は、少年時代から愛読してきた憧れの作家だった。初対面の後、東京の出版社から絵本の依頼が複数寄せられる。その全てが椋の紹介だったという。82年に朝日新聞日曜版で連載を始める際も、不安を口にする原田さんに「死んでもやれ」と背中を押した。最晩年の言葉は「大きい絵を描きなさい」。原田さんが画家として飛躍する転機には必ず椋の存在があった。

椋鳩十(左)と原田泰治さん(1983年、伊那で)

「太陽の匂い」は、82年から出版された「椋鳩十の本」(理論社)全25巻の別冊(しおり)を書籍化したもの。「初公開」(原田さん)となる原画は74~76年の制作で色紙ほどの大きさ。少年時代を過ごした下伊那郡伊賀良村(現飯田市)の思い出を題材に描いた。古里の自然と暮らしを描く作風は同じだが、原田さんは「絵が小さく人物はコロコロしている。僕の原点の絵。一人でも多くの人に見てほしい」と話している。

同館では同日、企画展「原田泰治と巡る47都道府県ふるさと日本百景」も始まった。朝日新聞日曜版や画集「原田泰治ARTBOXふるさと日本百景」(講談社)に収録された作品の中から、47都道府県それぞれえりすぐりの1枚を展示している。来年2月27日まで。

月曜休館(祝日は開館)。午前9時~午後5時。入館料は大人840円、中高生410円、小学生200円、障がい者(大人)410円。

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