「ナラ枯れ」被害増加 一昨年から県内

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県内では2010年に被害がピークを迎え、その後収束した「ナラ枯れ」(ブナ科樹木萎凋病)が、再び増える傾向にある。上伊那地方では昨年度、初めて駒ケ根市と中川村で被害木を確認。県上伊那地域振興局林務課は「大木は被害に遭いやすい。あまり木が成長しないうちに伐採し、利用するよう心掛けてほしい」と呼び掛けている。

県によると、上伊那地方の被害木は昨年秋に駒ケ根市福岡、今年3月に中川村南部で見つかった。本数は双方とも「数本」。該当木は今後伐倒し、くん蒸処理する。

県内の被害は一昨年から増加傾向。昨年9月時点の被害木は県内で合計3126本となり、うち木曽地方は1360本、飯田下伊那地方は854本だった。

日本森林技術協会によると、ナラ枯れは、コナラやミズナラ、クヌギ、カシワ、クリなどを枯らす病原菌ラファエレア菌(ナラ菌)と、菌を媒介する昆虫カシノナガキクイムシによる伝染病。該当する樹木を餌や生殖場所とするキクイムシが、菌を被害木から健全な木へと感染させる。

感染した樹木は、内部が黒褐色に変色。水分が木の上部へ達することなく急速に枯渇する。被害木は夏に葉がしおれて茶色に変色。「真夏に被害木だけが紅葉しているかのように見える」(県)。このほか、幹には虫が掘った直径約2ミリの穴が開き、穴の周辺や直下には大量の木くずやフンが堆積するという。

ナラ枯れは国内で古くから見られ、1930年代には鹿児島県、50年代には山形県や兵庫県で確認。その後、被害区域は日本海側を 中心に次第に広がっている。特に樹齢40~50年以上の大木や老木が病気になりやすく、逆に直径10センチ以下の木では少ない。

同林務課の上野純子森林保護専門員は「病害は2~3年をピークに収束する傾向にある。木は大径化しないと病気にならないので、木の幹が細いうちにシイタケの原木やまきにするなど、早めの利活用を心掛けてほしい」としている。

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