コロナ禍、少子化に拍車 昨年の諏訪地方

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厚生労働省が公表した2020年の人口動態統計では、婚姻数は52万5490組で戦後最少となり、赤ちゃんの出生数も84万832人と5年連続で過去最少を更新した。諏訪地方でも20年の出生数は前年比117人減の1196人で過去10年で最少に。従来から指摘される雇用環境の変化や晩婚化などに加え、コロナ禍が少子化に拍車をかけることが懸念されている。

■従来の要因に拍車かけ懸念

少子化傾向が続いていることについて、茅野市企画課は、従来から指摘される要因に加え、女性の社会進出や結婚観の多様化などを要因に推測する。これに加え「里帰り出産ができなかったり、家族のサポートが得られにくかったりして母親の不安が強くなっているのでは」とコロナ禍の影響を懸念。下諏訪町総務課企画係の担当者も「今年は減るのではないか」と話す。

■面会など制限 妊婦不安の声

感染拡大に伴い、出産時の面会や立ち会い出産などに制限を設ける産院は多く、妊婦からは不安の声も。妊娠8カ月の女性(35)=諏訪市中洲=は、コロナがはやり始めた昨年3月ごろ、感染への心配から 出産を待つべきか悩んだというが、「年齢的に待っていられなかった。家族が立ち会えないのはさみしいが仕方がない。今はワクチンをいつ打とうか迷っている」と話した。

コロナ禍による解雇や収入減のため、妊娠を断念する人が増えていることも推測される。生活困窮者への貸し付け業務を行う諏訪市社会福祉協議会の担当者は「コロナ前にはあまり見られなかった、乳児を抱えた人の相談も受けた」と話す。

コロナ禍で昨年一時休館し、利用者数も減少した諏訪市児童センター。0~3歳児の利用者は8割以上に戻り、乳幼児親子が交流する姿が見られる=17日

■子どもの育ちへの影響心配

子育て世帯の孤立も深刻だ。諏訪市子ども家庭総合支援拠点「すわ☆あゆみステーション」によると、コロナ前に比べ育児不安の相談が「かなり増えた印象」という。

子どもと自宅にこもりきりになったり、引っ越してきたばかりで地域に知り合いがいなくて遠方の 実家も頼れなかったり。子どもの育ちへの影響を心配する声も聞かれるほか、電話や窓口で突然泣き出す母親もいるという。担当者は「コロナが 当たり前になった今は問題がより潜在化してきていて、注意が必要になる。対面に代わるオンラインの学びの場をつくるなど支援を続けたい」と話す。

■子育てや仕事 行政支援訴え

生後9カ月と2歳の息子を育てる女性(32)=諏訪市湖南=は「3人目が欲しいが、夫から経済的に無理だと言われている。支援金の交付などもっと子育てしやすい環境をつくってほしい」と訴える。茅野市企画課も「コロナ禍で東京一極集中から分散型社会が進むと思う。その流れに乗って『選ばれるまち』に向けた施策が必要」とし、子育てや仕事を支える一層の行政支援を検討している。

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