2016年2月28日付

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〈春の気配を感じると/雪は あっさり/退位に同意し白い領分をどんどん減らしてゆく。〉。詩人の吉野弘さんは「譲る」という詩で、帝王が位を譲る禅譲にたとえて、季節の移ろいを歌っている▼うるう年のことしは平年より1日多いとはいえ、2月は1年で最も日数の少ない「小の月」。3月に入ると気分も春めいてくる。本格的な屋外スポーツシーズンの到来でもある。サッカーのJ1がきのう開幕した。春を先取りするように、史上初の2月開幕である▼松本山雅FCはきょう、2年ぶりとなるJ2での開幕戦を迎え、敵地でロアッソ熊本と対戦する。J1初参戦の昨季は厳しい戦いが続き、7勝7分け20敗の成績。降格という残念な結果に終わったが、国内最高峰のリーグで、選手たちは得がたい経験をしただろう▼思い出すのはJFL(日本フットボールリーグ)所属の山雅がJ2昇格を決めた日のこと。東日本大震災のあった年だ。目指してきたJリーグの門を開き、運営会社の大月弘士社長(当時)は、「夢の舞台に立てる。ここからがスタート」と感慨深げに語っていた▼反町康治監督のもと、J1への返り咲きを目指してチームは再スタートを切る。選手の後ろには、夢を信じ、熱い声援を送り続ける力強いサポーターがいる。「ワンソウル」(思いは一つ)のスローガンを胸に、選手、サポーターが一丸となって戦っていくことだろう。

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