親しまれ半世紀 ニシザワデパート閉店

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閉店の時間を迎え、長年の愛顧に感謝して一礼する荒木社長(中央)ら

総合小売業ニシザワ(伊那市)の「ニシザワデパート」が28日、閉店した。長年、同市の中心市街地の顔として親しまれてきたが、建物の老朽化や耐震性の問題から半世紀余の歴史に幕を閉じることになった。最終日となったこの日は閉店間際まで買い物客が訪れ、老舗百貨店の閉店を惜しんだ。

同店は1924年に書店として創業。67年12月に鉄筋地上6階・地下1階建ての百貨店として営業を始めた。建物の老朽化が進む中で修繕を繰り返しながら営業を続け、ここ数年は1階のみで衣料品や雑貨、化粧品などを販売してきた。しかし、昨今の相次ぐ自然災害の発生を考慮し、取り壊しを決めた。

この日、同店を訪れた同市西箕輪の原京子さん(58)は「閉店と聞き、見納めのつもりで来た」。小さい頃、よく祖母に連れられて来たといい、「屋上に観覧車があり、遊んだ記憶がある。レストランで食事をしたこともある」と懐かしみ、「閉店は寂しい」と惜しんだ。

閉店時間の午後6時30分になると、ニシザワの荒木康雄社長や同店の従業員らが玄関に並び、長年の愛顧に感謝して一礼。静かに玄関の自動ドアが閉められた。

荒木社長は「通り町の中核の店であり、一日も長く営業したいと考え、修繕を重ねてきたが、近年は災害も多く、やむなく閉店とさせていただいた。惜しむ声をたくさんいただき、ありがたい」と改めて礼を述べた。

取り壊し後は新たに店舗兼賃貸住宅を建設する。1階にコンビニエンスストア、2~4階に賃貸住宅を設ける計画。秋ごろから同店を含む一帯の店舗を取り壊し、来年春ごろ着工、2023年春ごろの完成を目指す。

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