中ア・ライチョウ 50年ぶり自然繁殖

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中央アルプスで国特別天然記念物のライチョウの復活に向けて保護増殖に取り組む環境省は6日、つがい3組の巣から20羽のひなが誕生したことを確認したと発表した。中アでライチョウが最後に目撃されたのが1969年であることから、「中アでの自然繁殖は50年ぶりと言える」としている。ひなと母鳥を捕食者や低温から守るため、ケージでの保護を始めている。

今年6月の調査で、昨夏に放鳥した個体など雄6羽、雌7羽の生存と、つがい5組を確認。このうち3組が抱卵していた。7月1日から4日にかけての調査で、つがい3組の巣で20個の卵がふ化していることを確認。このうち2組の巣で生まれた14羽のひなと母鳥をケージで保護しているが、残り6羽についてはふ化直後だったことや悪天候でひなが巣を離れていたことから、数を確認できていない。

中アでは2018年に北アルプスから飛来したとみられる雌1羽が発見され、保護増殖事業が進められている。19年と20年はともに北ア乗鞍岳から運んできた有精卵をこの雌に抱かせてひなを誕生させたが、他の動物に捕食されるなどして2回ともひなが全滅している。

今回、ひなが確認された巣のうち一つは18年に飛来した雌と昨年度乗鞍岳から移送した雄の巣で、7羽のひなが生まれた。もう一つの巣は昨年度に乗鞍岳から移送した雄と雌同士の巣で、こちらも7羽のひなが誕生した。

三つ目の巣についても調査を続け、速やかにケージ保護を始める予定。同事務所の小林篤生息地保護連携専門官は「北アから飛来した個体が子を残せたことは喜ばしいが、ケージに保護するまでは安心できない。気を抜かずに保護を継続する」と話している。

ケージの保護は8月まで続け、このうち2家族を動物園に移送して繁殖させる計画がある。飼育用の人工飼料への慣れやひなの数などを踏まえて実施を判断する。

ライチョウを目撃した登山者らには、静かに観察するとともに、ロープウエーの駅などに設置したライチョウ観察情報収集カードへの記入や、目撃日時、場所、標識足輪などの情報を同事務所(電話026・231・6573)まで寄せてほしいとしている。

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