有機廃棄物をペレット燃料に 諏訪で実証実験

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可搬型に開発した亜臨界水処理装置

プラスチックや生ごみなどの有機廃棄物を石炭の代替となるペレット燃料に転換する装置の実証実験が諏訪市の諏訪湖イベントホール(旧東洋バルヴ跡地)で始まり、13日に公開された。損害保険ジャパン(東京都)が出資し、環境技術装置開発のサステイナブルエネルギー開発(仙台市)が製作した可搬型装置で、セイコーエプソンと諏訪市が誘致した。8月中旬まで諏訪湖のヒシやインクカートリッジ、事務系廃棄物などで試行し、生成能力と環境負荷低減の有効性、屋内設置を想定した騒音や振動の程度などを調べる。

サステイナブル社は東日本大震災での支援活動の際、大量のごみと仮設トイレの汚物の処理ができない課題を目の当たりにして今回の装置開発に着手した。

ペレット化の工程は、既存技術の亜臨界水処理装置に廃棄物を無分別のまま投入し、高圧水蒸気で破断。約2時間で滅菌状態の粉粒状にした後、炭化、固形化する。

同社は装置の可搬化と、金属類の異物や燃焼時に環境に悪影響となる塩素、ナトリウム、放射性物質のセシウムなどを除去し、扱いやすい撥水性のペレット(固形)にする技術を確立した。石炭と同等の物質性、熱量で、石炭火力発電所やガス化炉で設備の改良なく使えるという。

装置の総重量は処理タンク3立方メートルタイプ、ボイラー込みで約14.3トン。うち亜臨界水処理装置の大きさは幅、高さが約2.5メートル、長さ約6メートル。販売価格は3億円程度を見込む。

実証実験では諏訪湖のヒシ約800キロ、損保ジャパン諏訪支社、エプソン、キノコ産業のホクトなどが提供する事業系廃棄物約100キロをペレット化する。初日の作業では「ヒシは水分量が多く、処理工程で調整が要るが、十分処理できると実証できた」(光山昌浩社長)という。

セイコーエプソン・サステナビリティ推進室の矢崎哲哉さんは「持続可能な社会の実現に向けて地域の企業や行政が協力して取り組む機運が醸成できれば」とし、諏訪市企画政策課の寺島和雄課長も「諏訪湖に浮遊するごみやヒシの処理などの課題解決に可能性を感じる」と期待を込めた。

損保ジャパンは「装置の販売や導入時のリスクコンサルティング、ペレットの買い取りと販売など広く連携を模索し、社会貢献したい」(ビジネスデザイン戦略部の茂澄祐亮特命部長)としている。

現在、小規模事業所向けの小型装置も試作中。この技術で福島県の放射性物質除染対象地域の木材をペレット化し、里山再生と脱炭素社会の両立を目指す計画もある。

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