文化センター改修費28億円 諏訪市試算

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改修経費の試算結果がまとまった諏訪市文化センター

諏訪市文化センター(同市湖岸通り)を保存活用するために必要な改修経費が約28億円に上ることが、市が昨年度実施した試算の結果で分かった。市は、安全の確保や集いの場の整備、魅力の発信に必要な「今考えられるフルスペックの試算」と語る。事業着手の時期は「検討段階」としつつ、市全体の大型事業の中で在り方を検討していく考えを示した。

改修経費の内訳は、工事費が約21億円、仮設費と管理費、消費税が約7億円。工事費のうち、耐震化などの「安全の確保」が約15億4000万円、集会室や舞台設備の充実などの「集いの場の整備」が約4億8800万円、座席や楽屋の改修など「魅力の発信」が約6700万円。工事期間は18カ月を見込む。

具体的には、エレベーターの新設やトイレのユニバーサルデザイン化、可動壁を活用した集会室数の増加、ホールの筆記台付き座席の整備、国際会議などに対応する同時通訳システムの導入など、長期的に活用していくために必要な経費が盛られている。

試算結果について、文化センターを所管する市教育委員会は「検討する材料を得た。今考えられるフルスペックが反映されており、これから精査していく」と話す。財源の確保については「国の補助メニューを含めてあらゆる選択肢を探す」と述べた。

同市では、文化センター隣接地の旧東洋バルヴ諏訪工場跡地への産業振興拠点整備や諏訪湖周サイクリングロード整備、諏訪湖サービスエリアスマートインターチェンジ整備など複数の大型事業が計画されている。市は、官民連携で上諏訪駅周辺地区の将来像を明確にするまちなか再生推進事業に今年度着手することも踏まえ、「市全体の大型事業の中で文化センターの在り方をどう考えるのか検討を始めている」と話した。

■諏訪市文化センター

1962年、北澤工業(後の東洋バルヴ)が福利厚生施設「北澤会館」として建設し、77年に諏訪市に移管した。904席のホールと三つの集会室、東山魁夷と杉山寧が描いた緞帳(どんちょう)がある。設計は建築家の吉田五十八。2014年に国登録有形文化財に登録された。市公共施設等総合管理計画などでは、保存活用の方向性が示されている。年間利用者は延べ約15万人で、駐車場が広く使い勝手が良いため、ここ数年は横ばい傾向が続く。

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