2021年7月19日付

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威勢の良い掛け声で路地を豪快に回る「やりまわし」で知られる、岸和田だんじり祭り。新型コロナウイルスの影響で昨年は引き回しを自粛したが、今秋は開催の方向で調整が進んでいるという▼感染リスクから批判も受ける中で決断した理由は「伝統の継承」という。街なかで重さ4トンのだんじりを引き回す祭りには大きな危険が伴う。自粛や中止が続き技術の継承が滞れば、祭りの伝承自体に大きな支障が出ると判断したそうだ▼身近な祭りでも同様の苦悩を見た。「年番制」で祭りを開くある地域では、各地区が祭りを担当するのは5年に一度。昨年はやはり例年通りの祭りは断念したが、「ここですべて中止にすると10年間の空白ができてしまう。世代が入れ替われば祭りは継承できない」と一致。祭りの楽しみは封印し、人数を最低限に抑え、時間などを非公開にしてひっそりと伝統の練りだけを奉納した▼ささいな例かもしれないが、昨年度地区公民館の分館役員を仰せつかった。担当になった敬老会は中止。年度末の引き継ぎの際には、新役員にノウハウをお伝えすることができず申し訳ない気持ちのまま役を退いた▼諏訪地方では7年目ごとに行われる御柱祭に向けた準備が進む。規模も影響力もひと際大きな祭りだけに関係者の苦悩はいかほどか。この1年半ほどの変化は日常生活にとどまらない。コロナが及ぼす影響の大きさを改めて思う。

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