環境整備と意識向上 諏訪地域通学路安全対策

LINEで送る
Pocket

一日の授業を終えて下校する児童たち

千葉県八街市で小学生の列にトラックが突っ込み児童5人が死傷した事故を受け、菅義偉首相は全国に通学路の総点検を指示し、県交通安全運動推進本部(本部長・阿部守一知事)も通学路の緊急合同点検を実施すると発表した。各市町村では、具体的な内容を検討した上で、今後対応していくことになる。改めて通学路の安全が課題になる中、諏訪地域における現状と課題を探った。

■要望実現 遅れる課題

多くの自治体では、毎年PTAや学校から出された要望に基づき、警察と協力して通学路の点検を行い改善箇所を調査している。1校につき数カ所、多い学校では20以上の要望が出されることもある。歩行者保護のガードポールやグリーンベルト、横断歩道の設置を求める声も多く、要望は管轄する国や県、公安委員会に伝えられる。

ただし財政や用地問題などにより、早期の実現につながらないケースもある。例えば、横断歩道は警察庁の交通規制基準に基づいて設置の判断がなされる。基準では、歩行者の安全を確保するため、接続する歩道や待機できる「滞留スペース等の設置」が求められている。十分なスペースが不足している際には、用地の確保に時間がかり、設置が遅れるといった課題もある。

■道路一帯を速度制限

こうした中、小中学校や保育園を含む生活道路一帯を時速30キロに制限する「ゾーン30」に指定し、安全対策を図る動きが広がっている。自動車事故で致死率が上昇する30キロ以下に速度を制限することで、歩行者の安全を高めるのが目的。幹線道路からの車の流入を抑制し、通学児童や高齢者を保護する狙いもある。

岡谷市は小井川小の周辺、諏訪市は城南小や城南保育園、中洲小の周辺、茅野市は永明小や豊平小、宮川保育園の周辺など4カ所、下諏訪町は北小の周辺など2カ所が指定されている。対象区域の入口には標識や路面表示が設置されている。

■交通ルール見直し大切

通学路の安全対策には、環境整備と同時に、車の運転者が規則やマナーを守る意識の向上が欠かせない。事故を受けて茅野署は9日、飲酒運転の取り締まりを実施。同日は諏訪署も啓発活動を行った。

昨年、中学生以下が歩行中や自転車で交通事故に遭った件数は、諏訪署管内が17件、岡谷署管内は5件、茅野署管内は19件で、前年と同数か減少した。過去3年間に死亡事故は起きていないが、交差点や道路の横断中に事故に遭っているという。

茅野交通安全協会富士見支部の小林銹晃支部長(74)は「ドライバーは制限速度や一旦停止、子どもは広がらずに歩くなど、基本的なルールを見直すことが大切」と話す。

悲劇を繰り返さないため、地域や企業、運転者、子どもも一体となって、交通安全をを心掛ける必要がある。

おすすめ情報

PAGE TOP