2021年7月24日付

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蒸し暑くて寝苦しい季節と言えば、カブトムシの羽化の時期でもある。先日、取材時に「息子がカブトムシを欲しがっていて…でも捕るのが難しい」と聞いた。それなら心当たりがある。その場で「そうですか。待ってて下さいね」といい、自分を追い込んだ▼そして、その夜探しに行った。場所は山中の照明塔。あかりを眺めていると「ブーン」という重低音と共に、お尻を下げた姿勢でカブトのメスが飛んで来た。翌朝は川沿いの林へ向かった。木を1本ずつ入念に見ると、いるいる2匹。ともにオスだ。やった。約束が果たせた▼図鑑はカブトやクワガタの好物を「クヌギの樹液」と記す。だが伊那谷ではクヌギの他にヤナギの樹液にも集まる。大木よりは森のはずれにある細い木が狙い目。見つけた瞬間、心が踊る。とは言っても自然相手で人との争奪戦が激しい虫。巡り合うには根気が必要だ▼この虫たちは捕り続けられているが、数は減っても絶えない。成虫の生息域を見回すと、クワガタが産卵しそうな朽ち木があり、近くの農家にはカブトが産卵床にしそうなたい肥が積んである。生息環境も観察すると楽しい▼オスメスで飼っていると交尾をする。当初は虫に興味津々の子どもたちも次第に飽きてくる。飼育で採卵を目的としない場合は、時期を見てメスを逃がしたい。自然界で産卵し、来年、再来年の子どもたちの喜びにつながるからだ。

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