中川村「石神の松」伐採 松くい虫被害で枯死

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松くい虫被害によって枯死し、伐採された中川村の天然記念物「石神の松」

中川村大草三共にあり、村の天然記念物に指定されていた「石神の松」が松くい虫被害によって枯死し、28日に伐採された。樹齢400年余とされる巨木は、住民たちに惜しまれながら、幾多の風雪に耐えて地域を見守り続けた歴史に幕を下ろした。

石神の松は昨年4月、強風の影響で主幹部分に裂け目ができた。村教育委員会が応急処置したものの、昨年11月に松葉が赤茶に変色しているのを確認。樹木医の診断で、松くい虫被害の特徴が複数みられたという。樹勢は回復することなく、今年1月に伐採を決定。村教委は6月に文化財指定を解除した。

伐採作業は、上伊那森林組合が27、28日の両日に実施。28日に本伐採が行われ、チェーンソーを使って幹を切断。ミシリと鈍い音がして倒れた瞬間、見守っていた住民らから悲鳴が上がった。切り株のみの姿に、地元の60代女性は「数十年前に初めて松を見たときは、その大きさにびっくりした。寂しいものですね」。松周辺の整備活動に参加していたという松田友恵さん(45)は「長い時間を生き抜いてきた命が終わる瞬間に立ちあえて、感慨深い。伐採された木を活用して命をつなげていきたい」と話した。

伐採された松は、松くい虫被害の拡大を防止するため、くん蒸処理が施される予定。村教委は丸太を活用した記念品の制作を、地元住民グループは炭を使った花火の打ち上げを検討中だ。石神の松の新芽を育てて将来的に現地に植えることも計画している。

石神の松の高さは約7メートルで、幹回りは3.24メートルほどだった。江戸時代前期、水害を食い止めるために祈祷し息絶えた山伏が手にしていた苗を、地元住民が植えたとの伝説が残っている。

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