2021年8月3日付

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朝目覚め、顔を洗い、朝食を済ませて出勤のための身支度を整える。新型コロナウイルスの感染拡大以降、筆者のごくふつうな一日の始まりに加わった習慣がある。出掛けに手を洗うこと。感染予防のおまじないみたいなものである▼そんな朝にピッタリの頌詩がある。〈石鹸を使えば、あなたは以前よりも清潔に、純粋になり、よりいい香りがするようになる。石鹸はあなたをより良いほうに変え、あなたの性格づけをし直すのだ〉。仏国の詩人フランシス・ポンジュ作で題名はずばり「石鹸」▼日常の営みを哲学的に考察した書籍「ソクラテスと朝食を」(ロバート・ロウランド・スミス著、鈴木晶訳)で紹介されていた一編で、毎日の暮らしに石鹸が欠かせないせいか妙に胸に響いた。体にまとわりついた汚れを落とすと、心の浄化にもつながる気がする▼邪気を引き込みやすい体質なのか風邪をひかない年はまずなかったが、この1年余りその兆候すらなかったことに自分自身驚きを禁じ得ない。これも新しい生活習慣の効果だろうか。風邪はうつる病気なのだと再認識し、これまでは対策が甘かったのだと痛感した▼新型コロナ対策で他の感染症が減る中で今年、乳幼児が重症化しやすいRSウイルス感染症が増加傾向だという。インフルエンザも同様に今シーズンの流行拡大が懸念されている。石鹸で洗った手を見詰め、気の緩みはないか自問する。

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