2021年8月12日付

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多少視力が衰えても自動でピントを合わせてくれるから大丈夫。撮影画像を拡大して見ることができるのもありがたい。デジタルカメラは「見る」を助ける貴重なツールだが、ちょっと頼りすぎだったかもしれない▼私たちはほとんど真実の姿を見れていない―。こう言われれば興味が湧く。信大農学部応用生殖科学研究室が行った小学生向けの実験体験教室をのぞいてみた。講師の富岡郁夫准教授は顕微鏡を介してミクロの世界に子どもたちを引き込んでいった▼印刷物の文字が点の集合体であることや、お札の模様にマイクロ文字が隠されていることを実物を見せながら話題にした。「見る」ことの本当の意味を知ることが教室のテーマだった。富岡准教授は「見えないところまで見る、感じる、気付く力を身に付けて」と教えていく▼人間には視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚のほかに、第六感とか直感と称されるような、科学的にはその根拠が見いだせないかもしれないが実感として確かに存在する感覚があるように思う。そこから導き出されることは仮説でしかないが、それを証明するためにも「見る」ことが大事なのだろうし、そうすることよって新しい発見もある▼日々、見たまま感じたままをそのまま発信するだけで終えていなかったか。隠されている真実に気付こうとしていただろうか。実験室の後ろで聞いていてそう問われたような気がした。

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