旧富士銀行の建物修復 保存求める声考慮

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修復作業が始まった旧富士銀行の建物

4月に諏訪市のJR上諏訪駅近くで発生した建物火災で延焼した、旧富士銀行の建物の修復工事が始まった。同建物を所有管理する東亜不動産(諏訪市四賀)の矢﨑隆也社長によると、保存を求める地元の声などを考慮して修復を決めた。「年内いっぱいにはきれいな形になると思う」と話している。

旧富士銀行の建物は、諏訪市小和田で創業した諏訪建築(現スワテック建設)が手掛け、1929(昭和4)年に完成。木造が一般的だった当時、鉄筋コンクリート造り2階建ての建築物は街のシンボルのような存在だった。

大正末期から昭和初期の銀行建築の特徴が残る建物で、戦前のレトロな雰囲気。戦前の銀行建築の数少ない現存例でもあり、重厚な外観をまちづくりに生かそうと、市民ぐるみで保存に努めてきた経過もあった。延焼後、東亜不動産には「(旧富士銀行の建物は)街の顔であり、残してもらえたらありがたい」といった声が寄せられていた。

建物の保存が決まったことについて、近くの時計宝飾店「三村貴金属」(同市諏訪)社長で駅前を含めた地域のまちづくりに熱心に取り組んできた三村昌暉さんは「建物が保存されることは、歴史的にも文化的にも結構なことだと思う」と話した。まち歩きイベントで案内役を務めることもある一級建築士の五味光一さんは「大変うれしく思う。当時の建物の面影ができる限り残るように改修してもらえたらありがたい」と語った。

同建物は現在、足場が築かれ、幕で覆われている。

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