2021年8月17日付

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おなかがすけば胃がそれを知らせてくれる。空腹のサインが出たら食事で満たす。体が必要とするエネルギーが枯渇することはない。では心のエネルギーはどうだろう?。三度三度の食事が必要なように、生きる上で心にも補給がいる▼気苦労や気疲れ、気遣いと心のエネルギーを消費する場面は少なくない。それを放っておくと病気になりかねないが、体に比べて心のエネルギーの枯渇は分かりにくいと、軽井沢病院副院長で医師の稲葉俊郎さんが著書「いのちを呼びさますもの」で指摘している▼長く続く異常事態の中で気を張って生活していると、心のエネルギーの”残量”がどれくらいあるのか確認している間がない。息抜きで心に滋養をつけようと思っても、感染拡大の波にもまれている中ではそれもままならない。互いの目配り、気配りが欠かせない▼心の不健康具合を示す数字がある。経済協力開発機構(OECD)の心の健康に関する国際調査によると、新型コロナウイルス感染症の流行前と比べ、日本国内でうつ病・うつ状態の人の割合が2倍以上増加した。特に、若者や失業中の人の割合が高かったという▼芸術方面にも造詣の深い稲葉さんは、心のエネルギー供給源になるものとして文化や芸術を挙げている。何かを見たり聞いたりすることは心を豊かに満ち足りた気持ちにさせると。心のエネルギーが枯れていないか、まずは確認から。

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