全県で警戒レベル「5」 医療非常事態宣言発出

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県は20日、新型コロナウイルス対策本部会議を県庁で開き、全県の医療提供体制の負荷状況を示す県独自の2段階の医療アラートのうち、2段階目の「医療非常事態宣言」の発出を決めた。県全体の確保病床使用率は19日午後8時現在で47・6%と発出の基準(50%以上)に達していないが、阿部守一知事はデルタ株の感染拡大に「天井が見えない」と危機感を募らせ、「先手を打つ」とした。県は併せて県全体の感染警戒レベルを初めて「5」(特別警報2)に引き上げた。

県は9月20日までを「命を守る1か月」として、確保病床使用率を40%以下へ引き下げる目標を設定した。感染警戒レベルの引き上げに伴い、療養・検査体制の強化、ワクチン接種の加速化などに取り組む。酒類を提供する飲食店への営業時間短縮などの要請は現在対象となっている27市町村で継続し、対象地域の拡大は予定していない。

療養体制強化について、現在490床確保している病床のさらなる拡充、緊急的な受け入れ病床80床の確保、中信地域に県内6カ所目の宿泊療養施設開設、高流量の酸素を鼻から送り込む治療法「ネーザルハイフロー」を活用した酸素療法や抗体カクテル療法の積極的な実施による重症化予防などの取り組みを決めた。

ワクチンについて阿部知事は同日の会見で「モデルナ製のさらなる確保を図り、アストラゼネカ製の接種も来月中旬をめどに体制を整えたい」との考えを示した。
 
県内の新規感染者数は8月19日までの1週間で790人と過去最多。療養者数も同日現在で861人と過去最多。阿部知事は「救える命が救えなくなる状況を回避するには、何といっても一人ひとりの行動が大変重要」と強調。人との接触機会をできるだけ減らすことや、県境をまたぐ移動は極力中止または延期すること、会合は控えるか極力4人以内で短時間に済ませることなどを呼び掛けた。

信州GoToEatキャンペーンの食事券は24日から販売を一時休止する。販売済みの利用券については23日から、店内での利用は同居家族のみに制限する。販売再開、制限解除は改めて告知する。食事券の利用期間は9月30日までとなっているが、制限期間と同程度延長する予定。

県の会見にオンラインで参加した県医師会の竹重王仁会長は「県では現在、必要な時に入院できない事態ではないが、今後は注意が必要」として基本的な感染対策の徹底やワクチンの積極的な接種を訴えた。県看護協会の松本あつ子会長は「これ以上患者が増えると、東京で起きているような、具合が悪くても入院もできず宿泊療養施設にも入所もできずに、自宅で過ごさなければならない状態になってしまうのではと不安を感じる」と話した。

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