2021年8月26日付

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ネイチャーピアノとは自然が織りなすハーモニーとピアノの、その日、そのときだけの共演のことをいうそうだ。ピアニストの平澤真希さんが森に持ち込んだアップライトピアノを弾くと、旋律に木々が響き合う。それに応えるかのように鳥がさえずり、風が通り過ぎていく▼縄文人のように石斧で木を倒し、丸木舟を作るプロジェクトを企画した縄文大工こと、雨宮国広さんが12日、愛知県の山中で樹齢約300年の杉の巨木に石斧を入れた。人類にとって道具とは何かを子どもたちと一緒に考える体験の場にする予定で、子どもたちもここで自作の石斧を振るう▼伐採前、命をいただく巨木に感謝するひとときがあった。ピアノを軽トラックに載せて駆け付けた平澤さんは、森にそびえる巨木の前でオリジナル曲「聖なる樹の声」を奉納演奏した▼森に持ち込んだこのピアノ、実は捨てられていたものだ。拾ったのは雨宮さん。連絡を受けた平澤さんは、どうせ音なんかしないだろう…と思ったそうだ。試しに鍵盤をたたいてもらうと電話越しにいい音が聞こえてくる。確かめたくなって行ってみると88鍵が全部鳴った。2年前のことだった。翌年、このピアノを使った活動が始まった▼動画投稿サイトで公開されているネイチャーピアノを視聴してみた。災害が相次ぐ今、自然と対話し、調和することの大切さを教わった気がした。そう、縄文人のように。

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