2021年8月31日付

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国宝、県宝。長く記者をやってきてちょっぴり恥ずかしい話だが、県宝の呼び名は長野県にしかないことをこのほど知った。他県にも存在すると思っていたが、調べると、〇〇県指定文化財となっている▼県教委に聞くと、県文化財保護条例施行時から、県内に存する有形文化財のうち重要な物を「県宝」とする│と定めるが、県宝の呼称を採用した理由は不明。では市宝や町宝はあるかと調べると、小布施が町宝、白馬が村宝を採用。旧高遠町の過去の記事でも町宝が出てくる▼県独自の呼称と知って誇らしい気持ちにもなった。県教委によれば、県外の人から「県宝って何ですか」と聞かれることもあるとか。文化財ではないものの、先人が残した有形・無形の大切な物を「区宝」と呼ぶ集落もありそうだ▼富士見町の乙事区にとって、編笠山登山道沿いに建っていた2基の碑は区宝に違いない。大正14年8月30日、乙事山岳会が元首相の犬養毅、司法大臣などを務めた小川平吉を景勝地の「盃流し」まで案内。2人が揮毫した「曲水」「神仙秘境」の字を記念として巨石に彫った▼3年前の土石流で行方不明となったが、このほど下流の治山工事現場で小川の「神仙秘境」が見つかり、きのう、犬養の「曲水」も発見されたとの知らせが飛び込んできた。8月30日の記念日に、現場にたまった大量の石の中から見つけ出した工事関係者もまた、地域の宝。

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