認知症高齢者の事故 伊那市が賠償補償制度

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認知症見守りネットワークへの登録を受け付けている伊那市福祉まちづくりセンターの市福祉相談課窓口。登録により保険加入となる

伊那市は、認知症の高齢者らが事故を起こして損害賠償を求められた場合に、本人や家族に代わって補償する制度を1日から始めた。市が契約者となって保険に加入し、最大1億円の支払いが受けられる。市の「認知症見守りネットワーク」の登録者が対象で、本人や家族の負担は一切ない。上伊那地方では初の取り組みという。

認知症をめぐっては、愛知県大府市で2007年12月、徘徊中の男性=当時(91)=が電車にはねられて死亡した事故でJR東海が振り替え輸送費用などの賠償を求めて家族を提訴。16年に最高裁は家族の賠償責任を否定し、JR東海の敗訴が確定したが、高齢化が進む中で認知症の人に対する介護の在り方に大きな影響を与えた。

伊那市の制度では、日常生活での偶然な事故によって他人を死傷させたり、他人の財物を破損させたり、電車などを運行不能にさせたりして賠償を求められた場合に保険金が支払われる。認知症見守りネットワークへの登録により保険加入となる。市によると、過失による事故が対象で、盗みなどの刑事事件は対象外としている。

市は19年7月、行方不明になった認知症の高齢者らの早期発見、保護につなげるため、認知症見守りネットワークをスタート。事前に登録された情報を市、警察、市内の協力事業者が共有し捜索に協力する仕組みで、現在35人(うち在宅は23人)が登録している。

対象者は▽市内に居住する65歳以上の市民で、認知症による行方不明のおそれがある人▽市内に居住する40歳以上65歳未満の市民で、医師から認知症の診断を受け、行方不明のおそれがある人-。市福祉まちづくりセンター1階の市福祉相談課窓口で申請・登録を受け付けている。

同課は「認知証の人を介護している家族の経済的、精神的な負担の軽減につながれば」と話している。

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