浸水被害、空き家15棟 諏訪市

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管理不全の空き家が増加傾向にある諏訪市。災害時に安全や衛生面に悪影響を及ぼす可能性がある(一部画像を処理しています)

8月の記録的な大雨で浸水被害があった諏訪市で、被災した家屋256棟に空き家が15棟含まれていることが、市税務課のまとめで分かった。空き家は災害時の調査項目ではなく、所有者や区長の要請で調べた棟数にとどまるため、被害の全容を把握できていないのが現状だ。近隣住民は被災し放置された空き家の対応を行政に求めるが、私有財産のため無断で片付けることができない。適切に管理されず、安全や衛生面で悪影響が懸念される空き家は増加傾向にあり、災害時に復旧復興の妨げになる恐れがある。

税務課によると、同市の家屋被害は9月1日現在で床上浸水12棟、床下浸水244棟。このうち空き家は、建物や近隣への影響を心配した所有者の申請に基づく調査や、区長や不動産業者の立ち合いで市が確認したもの。住宅のほか店舗もあり、いずれも床下浸水だった。大和や大手町など大半は上諏訪地区で発生しているという。

被災家屋をめぐっては、市町村は被災者の申請を受けて住家を調査し、被害の程度を認定するり災証明書を発行する。迅速に手続きを進め、被災者の生活再建支援につなぐことが優先されるため、居住実体がなく、所有者の申し出もない空き家は必然的に放置される構造となっている。

「浸水したり、雨が吹き込んだりして、そのままになっている空き家がある。片付けや消毒をしないと建物が朽ちてしまう」。8月14、15日の大雨で約60棟の浸水被害が出た大手一、二丁目区。長崎領二区長(72)はこう語り、今も持ち主が分からず、被害状況の確認すらできない空き家への不安を口にした。

大手町一帯は飲食店が立ち並ぶ繁華街だが、企業移転に伴う労働者の減少や高齢化で空洞化が進み、空き家や駐車場が目立つようになった。豪雨災害で浸水被害があった2006年よりも「空き家は増えた」(長﨑区長)といい、災害時の不安材料として空き家問題が浮上している。

被災し放置された空き家については、有効な対応策が見つかっていない。市危機管理室は「平時から危険箇所をパトロールし、危険な空き家を把握しておく必要がある」と話す。空き家対策を担当する市都市計画課は「空き家対策特別措置法に基づいて市町村は所有者を特定できるので、市から連絡することは可能だ。まずは地区内で話し合ってもらい、必要な場合は相談してほしい」としている。

18年の住宅・土地統計調査によると、同市の住宅総数に占める空き家の割合(空き家率)は22.3%で、全国平均の13.6%、県内平均の19.6%を上回っている。15年の現地調査で把握した諏訪市内の空き家は2039件。このうち1264件(約62%)が上諏訪地区に集中している。

都市計画課は、大雨災害以降、空き家の管理や処分に関する相談が増えているという。

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