2021年9月7日付

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「―災害の発生を未然に防止し、あるいは被害を最小限に止めるために(中略)みんなが各人の持場で、家庭で、職場で考え、そのための活動をする日」。1960年9月1日に制定された「防災の日」の趣旨である▼これを受けて例年この時期は多くの地域で防災訓練が行われるが、昨年来のコロナ禍で中止の地域も多い。自然災害が相次ぐ昨今、災害への備えは一層重要になっている。どう意識を高めていくか▼日本赤十字社が防災の日にちなんで行った調査では、近年の台風や大雨で避難勧告や避難指示が出た地域の人のうち、約半数が避難していなかった。過去に被災していないことや周囲の人が避難しなかったことを理由に挙げる人が多かったという。先月の豪雨で避難指示が出た南信地方のある自治体では対象者約6000人のうち、実際に避難所に避難した人は70人ほどにとどまった。関係者は「自分の家の周りの状況などから切迫感がなかったということだろう」と分析した▼人は災害などに直面した際、自分に都合の悪い情報を無視したり、過小評価したり、周囲の人と同じ行動を取ろうとしたりする特性がある。「正常性バイアス」「同調性バイアス」と呼ばれる。逃げ遅れの原因となる▼近年の豪雨災害では「記録的」「過去に経験したことがない」といった枕ことばが付く。先入観や思い込みは危険であることを肝に銘じる必要がある。

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