2021年9月8日付

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直売所にキノコ売り場ができた。店の中に山の香りが運ばれてきたような感じだ。引き寄せられるように集まってきた人たちは、今季の初物に目をやり、香りを確かめては秋の訪れを感じているようだ。今年は豊作になるだろうか。売り場がキノコの山で茶色っぽくなる秋本番が楽しみだ▼果樹園ではリンゴが色づいている。遠くの方から見ても、枝の葉の中に赤い点がポツンポツンと浮き上がっているのが分かる。昼間の時間が短くなったり、昼と夜の温度差が大きくなったりすることで果実は色を変え、太陽の光を浴びることで赤くなっていくそうだ。ここでも秋が始まっている▼夏祭りや花火大会など季節を感じさせてくれていた恒例行事が、新型コロナの影響で今年も行われなかった。遠出もできず、ただ暑かったことと、災害の記憶だけで夏が過ぎていく。秋祭りも行われないかもしれない。物足りなくて、季節の移り変わりを五感で探していた▼例えば山肌。夏色といってもいいような濃い緑色が少し変わってきた。光の角度のせいかもしれない。そういえば8月のうちは日差しが届かなかった部屋の中の鉢植えに、太陽の光が当たるようになった。よくしたもので、日差しを浴び始めた途端にぞくぞくとつぼみをつけ始め、花を咲かせるようになっている▼半月もすれば秋分を迎える。朝、玄関の扉を開けると、空気が変わっているのが分かった。

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