棚田の稲 研究会最後の収穫 中川村飯沼

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飯沼農業活性化研究会が守ってきた棚田で、稲刈りをする関係者ら

中川村大草飯沼にある棚田で10日、酒米「美山錦」の収穫作業が行われた。棚田を18年間管理し続け、今年度末で解散する飯沼農業活性化研究会にとっては、最後の稲刈り。傾斜地一面で黄金色に輝く稲穂の姿に会員たちの感慨もひとしおで、「会の締めくくりにふさわしい、最高の出来栄え。おいしいお酒ができるはず」と胸を張った。

棚田は標高差約50メートルの傾斜地に広がり、村を代表する景勝地として親しまれている。同会は、農山村の美しい景観を保全しようと2004年に発足、翌年に酒米づくりを本格化させた。酒米は、村内の酒造会社「米澤酒造」で醸造。棚田米ブランドの特別純米酒「今錦おたまじゃくし」として販売され、地域活性化に一役買ってきた。しかし、課題だった会員の高齢化に解決策は見いだせなかった。現在の会員約20人のうち、作業に参加できるのは半数ほど。来年度以降の活動継続は厳しいと判断し、解散を決めた。

稲刈りには、会員や酒蔵関係者ら約50人が参加。棚田11枚(計約50アール)に広がる稲穂を、鎌や稲刈り機を使って刈り取った。同会によると、今年は「例年以上に熱心に手入れした労苦が結実してか」、おおむね順調に生育。収量は不作だった前年を600キロ上回る2・4トンを見込む。

棚田での酒米づくりは来年度以降、別組織が引き継ぐ方向。米澤酒造の親会社・伊那食品工業や村、地元などで、後継体制について協議中だ。

同会の宮下明芳会長(78)は「20年近く続けてきただけに寂しい。美しい景観を維持していくためにも、来年度以降は、個人の立場から協力していきたい」と誓った。

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