岡谷市川岸の土石流 発生メカニズム

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岡谷市川岸東3で8月15日に発生した土石流は、住宅を直撃して母子3人の命を奪った。現地で調査を行った信州大学地域防災減災センターの大塚勉特任教授(地質学)は長野日報社の取材に、「硬い塩嶺累層の上の表土が多量の雨水を含んで流れ下った」と調査結果を説明。規模は小さいが、2006年7月に同市湊と川岸で起きた土石流(平成18年7月豪雨災害)と発生のメカニズムは同じで、諏訪湖周と茅野市一帯の地質や地形の特徴から「どこでも起こり得る」として警戒を促している。

土石流は住宅の裏山で発生。中央道下のボックス(歩行者用トンネル)を抜け、斜面に接するように建てられた住宅の2階に流れ込んだ。

大塚さんは8月16、19の両日、現地調査を実施。06年の土石流も調査している。岡谷市の一帯は塩嶺累層と呼ばれる火山岩類が分布し、その上に風化火山灰や黒色土壌などの谷埋め堆積物があるという。

土石流の発生メカニズムは 1、多量の雨が降り、谷に水が集中 2、谷の上方で表土が水を含み支えきれずに崩壊し、泥水を出して一気に流れ出す 3、下方で勢いと量を増し、谷埋め堆積物を削り込んで流れ落ちた―と分析。災害の背景には断層によって作られた急斜面があり、多量の降雨をきっかけに、谷に埋まっていた堆積物が水を含んで土石流になった―とした。

現場は天竜川に面した小規模な扇状地。大塚さんは、岡谷市、諏訪市、下諏訪町、茅野市などは「湖や河川から背後に急な山がそびえる断層地形があり、どこでも土砂災害は起こり得る」と指摘。地質や地形の特徴を念頭に置き、「周辺市町村で情報を共有して連携した対策が必要」と呼び掛けている。

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