2021年9月18日付

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日本語は独自性が強くて奥深く、かつ軽やかに転身する言語でもあると思う。多くの単語や言葉遣いが千年余の時を超えて色濃く受け継がれる一方で、新語もひっきりなしに生まれてくるからだ▼60年の歴史を持つ三省堂国語辞典が年末、8年ぶりに全面改訂版を発刊する。不変の人気を誇る理由は、新語に長けていること。時代を映す鏡ともいえる一冊へ、今回も意欲的に3500語句を追加した▼放送メディアが改訂版に掲載予定の新語を数点紹介していた。「ポチる」(通信販売で品物を購入する際、パソコンのマウスをクリックすること)、「はふはふ」(口を開け閉めして熱い食べ物を冷ます様子)といった具合。これが国語辞典に載るのかと驚き、しかし真面目な用語解説には作り手のプロ意識を垣間見て感心もした▼若者を主な発信源とする新語は、略語や擬音を使うものが大半を占める。意味がすっと理解できず、耳慣れない響きに顔をしかめる大人も多いだろう。でも由緒正しい国語辞典が載せたとあれば、市民権を得た言葉かと感じ入る部分もある▼同社は公式PRで、言葉と情報があふれる現代社会では「自分自身の気持ちに応じた言葉を使える価値」が求められると主張する。つまり、言葉の選択権は自分にあるということだ。日頃から素養を蓄えてぶれない言葉の軸をつくり、新語や若者と楽しく向き合うぐらいの寛容さを持ちたい。

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