2021年9月22日付

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世話になった人や親しかった人であれば、顔を思い浮かべれば声が聞こえてくる。たとえこの世にいなかったとしても、記憶の中にはその人の姿とともに声がいつまでも残っている気がする。その逆もある。声を聞けばその人を思い出すし、音を聞けば不思議とその頃の風景がよみがえる▼今年設立50周年を迎えた伊那市有線放送農業協同組合(いなあいネット)の歴史と役割を振り返る特別展が、伊那市創造館で始まった。展示室に並んだ電話機はそのまま有線放送の歴史。自主放送の取材機器がどんどん小型化されてきたことも分かる▼過去に放送された番組が数本聞けるようになっていた。何十年も前の音がデジタル化され、スピーカーを内蔵した昔の電話機本体から聞こえてくるから面白い。録音された時代を想像しながら耳を傾けてみた▼いなあいネットでは50周年記念企画で昔の音源を使った番組を放送している。初期の音源はオープンリールの磁気テープに収録されていて、再生するためにかつて使っていたデッキ(記録再生装置)を修理したそうだ。中にはかなり劣化しているテープもあり、あと1回聞けるかどうか…というものもあったとか▼貴重な音源が番組制作を機にデジタル化されれば、アーカイブ(保存記録)にも役立つ。よみがえった音声は、忘れられない人たちの顔や懐かしい風景の記憶を確かなものにしてくれるかもしれない。

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