2021年9月26日付

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1972年の「あさま山荘事件」を契機に一気に知名度を上げた食品がある。人質を取って立てこもった過激派の「連合赤軍」と10日間に及ぶ攻防を繰り広げた警視庁機動隊員が現場で食べていた日清食品のカップヌードルである▼カラーテレビの普及期に起きた大事件は連日生中継され、多くの国民が画面にくぎ付けとなった。非常食として配られたカップヌードルを警察官が食べる様子が繰り返し放映されたことで「羽が生えたように売れ出した」(日清食品グループホームページ)という▼71年9月18日に売り出されたカップヌードルが発売から50年を迎えた。時を重ね、しょうゆ味をはじめカレーやシーフード味など種類も増え、カップヌードルブランド商品の世界累計販売数は50年で500億食を突破したという。時代や国境を越えて愛されている▼東日本大震災では支援物資として被災地に届けられ、JAXAから「宇宙日本食」にも認証されている。インスタントラーメンは現代においても野戦食として〈闘う人々の最前線に届けられ続けている〉と「ラーメンと愛国」で著者の速水健朗さんは指摘している▼カップにお湯を注いで3分待つだけでラーメンが食べられる。忙しい時、小腹のすいた時、また隣席から漂う匂いに誘われて筆者もあらゆる場面で食してきた。凍える冬の取材現場で食べた一杯もあったな~。野戦食が五臓六腑にしみた。

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