2021年9月27日付

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下水汚泥から「金」。諏訪市の諏訪湖流域下水道豊田終末処理場に熱視線が注がれたのは13年前のこと。汚泥焼却灰を高温で溶かす過程で生じる飛灰や煙道付着物に高濃度の金が含まれ、施設を管理する県が有価物としてこれらの売却を始めた▼当時は世界同時不況下で、金価格は上昇基調。売却額は4000万円を超え、施設の維持管理費に充当された。「奇跡的なストーリー、マジック」とは取材に訪れた米CNNの記者。後日、「不況下での明るいニュース」として世界に発信された▼めっき工場や温泉が多い地域特性が要因として挙げられた。以後は一般競争入札で売却し、維持管理費に充てられてきたが、金の含有量は年々減少。飛灰などの売却にも終止符が打たれた▼下水汚泥には作物の生育に欠かせない窒素やリンも含まれる。これらは下水道がある限り回収できる持続可能な資源だ。分水嶺がある富士見町では釜無川水系に二つの下水処理場があるが、ここで生じた汚泥の一部も使って製造された汚泥発酵肥料がこのほど町内にお目見え。あっという間に完売した。安全性も証明されている▼販売したのは、町内の合同会社「つくえラボ」。下水道由来肥料を使った「じゅんかん育ち」の米や野菜を住民たちと育て、道の駅などで販売。着実に輪が広がっている。下水汚泥は資源の宝庫。下水道資源の利用は佐賀市の取り組みがいい手本になる。

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